お通夜とは、葬儀の前に行なわれる故人の霊と遺族を慰めるために親族や親しい友人などで集まって行なう儀式です。
歳を重ねるごとにお通夜に参列する機会が増えると思いますが、遺族としても参列者としても基本的なマナーを知らないと失礼にあたることがあります。
そこで今回はお通夜のマナーを遺族・参列者に分けてそれぞれ紹介します。
遺族側のマナー
遺族はマナーとしてお通夜の一連の流れを頭に入れておきましょう。
お通夜は、読経、焼香、喪主挨拶の順に進行します。
読経
最初に僧侶がお経を読みます。
この際、喪主・遺族が行なうことはありません。静かに拝聴しましょう。
焼香
続いて焼香に移ります。
焼香は喪主、遺族、近親者、一般弔問客の順に行なうため、喪主、遺族はマナーとして焼香の方法を押さえておく必要があります。
また、弔問客が焼香する際に遺族に対してお辞儀をすることがありますが、座ったまま目礼で返しましょう。
喪主挨拶
最後は喪主挨拶で締めます。
喪主挨拶は、参列者への挨拶とお礼、死去の報告、生前のご厚誼、翌日の葬儀のご案内、通夜振る舞いへの招待、という順で話すのが一般的です。
通夜振る舞いは弔問客へのお礼の席で、お清めの意味として日本酒やビールを用意します。また、通夜振る舞いの際は、控室に戻った僧侶へのおもてなしも忘れてはいけません。
服装のマナー
お通夜の場でも遺族は喪服を着用します。
男性はブラックスーツに黒のネクタイ、女性は黒無地のアフタヌーンドレスやワンピースを着用しましょう。
参列者のマナー
お通夜は一般的に、親族や特に親しい友人でない場合は出席しません。
故人との関係が薄い場合は、翌日の葬儀や告別式にのみ出席するようにしましょう。
また、お通夜に参列した際に通夜振る舞い(食事会)に招待されたときは、基本的に参加するのが礼儀です。
忙しい場合も、一度席に着き、一口だけでも食事に箸をつけましょう。
途中で退席する場合は周囲の人に「御先に失礼します。」と声をかけてから退席するのがマナーです。
服装のマナー
弔問客として参列する場合には、準礼装や略礼装の服装を着用しましょう。
また、突然の知らせで急遽参列する場合、男性は黒に近い色(紺や濃いグレー)の服装、女性は白いブラウスを避けた服装を意識して選ぶようにしましょう。
さらに、殺生を連想させるため、動物の皮や毛皮の素材は避けましょう。
香典のマナー
お通夜と葬儀のどちらも出席する場合はどちらかで1回だけ香典を渡します。
香典の表書きは宗教に合ったものを選ぶべきですが、わからない場合は「御霊前」と書いてある香典袋を選ぶようにしましょう。
包む金額の相場は故人との関係性や自身の年齢によって変わります。
目安として、家族や近しい親族の場合は10,000円~30,000円程度、友人や職場の方の関係者なら5,000円~10,000円程度です。
香典は袱紗(ふくさ)に包んでから持参しましょう。
まとめ
お通夜は故人とのお別れをする大切な儀式です。
服装や作法などで失礼のないようにすることは大切ですが、故人の生前ご厚意に感謝する気持ちや故人との決別を悲しむ気持ちが一番大切です。心を寄せ合って故人との思い出に浸るひとときにしましょう。